
バセドウ病の薬を飲み始めて6ヶ月で私は完治しました。正確には寛解です。
初期の症状で、この病気に気付くのは難しいと思う。気付いたときは進行している人が多く、原因もハッキリとわからないですから治療は長引きます。
私も長期戦を覚悟していましたが「こんなに早く改善した患者さんはいない!」と、医師も驚いてました。
初期症状らしき異変はありましたが、すぐには気付かず、偶然の出来事が重なったことで発見出来ました。
完治から2年半が経過した現在。ワクチン接種が明後日というときに、異変を感じ慌てて病院に駆け込みました!
この記事の内容
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診断される前に感じた体の異変から、再発の不安などを書きました。
■■■目 次■■■
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① バセドウ病の初期症状
一般的な初期症状(太字は私の症状)
多汗、暑がり、食欲亢進、ほてり、動悸、息切れ、体重減少、頻脈、便通の異常、首の腫れ、手(足)のふるえ、倦怠感、目が出る、精神的なイライラ、不眠、集中力の低下
②2年前に感じた最初の異変
あれも、初期の症状だったのかもと思うことがあります。バセドウ病と診断される2年位前のこと。両方のひざ下が震えることが数ヶ月ありました。
痙攣みたいな感じで、直立しているとき、便座に座っているとき、踵を上げてるときに感じました。
バセドウ病の初期症状に「手足の震え」や「手の震え」はあるけど、足だけの震えはない。医師も「ひざ下の震え」は、症状として考えにくいとのことでした。
ただ、誰もが同じ症状とは限らない。私は経験のないこの震えが、始まりのような気がしてます。
③ 典型的な初期症状が現れる
いまならわかる「激しい息切れ」と「心臓のバクバク」が、バセドウ病の症状だということ。
小走りしただけで息切れがハンパない。「運動不足かなぁ」「体力落ちたかなぁ」「歳なのかなぁ」って思ってました。
ある日のこと。エレベータが混んでいて階段で3階まで上がったら、心臓が壊れちゃうんじゃないかというバクバク状態になり、治まるのに15分位掛かりました。
それから数日後。鏡を見て痩せていることに気付き体重を計ったら4キロ減。このとき始めて病気かもと不安になりました。
④ 病気の発覚が遅れる要因
バセドウ病の症状が、更年期症状や自律神経失調症と似てません?
あと「疲れてるのかも」「年なのかも」「運動不足かも」って感じる症状とも一緒。
担当医が言ってた「バセドウ病って気付きにくいから、悪化して始めて病院に来る人が多い」と。
⑤2つの偶然「健康診断とオプション検査」
痩せていることに気付いた数週間後、ちょうど職場の健康診断がありました。
そして、予約の際にオプション検査を追加していたのが、頸動脈のエコー検査だったのです。
LDLコレステロールがずっと高いから、動脈硬化を気にして始めて追加した検査でしたが、これが病気発見に繋がったのです。
心電図の異常
健康診断当日。心電図測定が終わると「脈が速いですね。過去言われたことありますか?」と聞かれ、いいえありません。緊張してるのかなっと笑って答えました。
エコー検査で異常発覚
頚動脈のエコー検査をしているとき「ついでに甲状腺も見ますね」と。
何か気になったからなのかは不明だけど、この検査を受けたことで判明したことには間違いないです。
健診結果の確認に行くと、甲状腺の数値に異常が判明。ただ確定することが出来ないらしく、少量の薬を服用し、また翌週来ることになりました。
それから1週間後。やはり判断が出来ず、専門病院での精密検査を促されました。
判断が出来なかった理由は、3つの数値が異常だと確定出来るけど、私は2つは異常、1つは正常という結果が2回続いたからでした。
⑥ 専門病院でアイソトープ検査
紹介状を持参し表参道の専門病院へ。
手続きやら採血やらを終え、結果を見た医師が「確かに1つは正常ね。はっきりさせるためアイソトープ検査をしましょう。ただ食事制限があるからね」と言われたのです。
アイソトープ検査とは
微量の放射性同位元素(ラジオアイソトープ:RI)を含む薬を静脈注射する、またはカプセルを服用することで、薬が目的臓器に集積し、その薬から放出される微量な放射線を専用の装置(ガンマカメラ)で検出し臓器や組織の大きさ、機能、位置、形態などが調べられます。 ~伊藤病院のHPより~
なんだか難しいよね。
この検査のため食事制限をしましたが、この食事制限が難しかった。
ヨウ素を含む食品がダメで和食はほぼ全滅。考えるのが面倒で、パン食メインで1週間過ごしました。
アイソトープ検査の結果「バセドウ病」で間違いないと診断されました。
すでに、健康診断から1ヶ月半経ってました。
⑦ バセドウ病の体の状態
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階段の激しい息切れ体重が減る理由がわかります。
それと、20代から高かったLDL数値が始めて減少。これもこの病気の特徴。
完治しにくい病気
バセドウ病と診断されて直ぐに浮かんだことは「なかなか治らない病気」ということ。どこかで聞いたか見たかで認知してました。
あ~面倒な通院が始まると落ち込んだ。
⑧ 治療開始「メルカゾール3錠」
症状から薬の量が決まりますが、私の場合はメルカゾール3錠から開始でした。症状が重いと6錠からの人もいるそう。
薬の治療期間は平均2年以上。また薬で改善しなかったり副作用が出た場合は、手術に切り替わる説明されました。
投薬初期に起きる重篤な副作用
まずは薬で改善するかですが、この薬は重篤な副作用が出る場合があるらしく、異変を感じたら24時間いつでも連絡するようにと強く言われました。
重篤な副作用とは
白血球の中にある「顆粒球」が極度に減少する副作用で、細菌に感染しやすくなり全身に影響する重症の感染症を起こすとのことでした。
恐い。。。
治りたいから薬は飲むけど副作用が恐いという葛藤。冷蔵庫のドアに緊急連絡先をしっかり貼ってました。
他には、親知らずがちょいちょい痛くなっていたので、抜糸を考えていたのですが、麻酔を使えないので中止です。
⑨ 2週間起きの検査の流れ
始めは2週間起きの通院になります。検査の流れはこんな感じ。
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私はこれを2ヶ月で4回繰り返しました。
数値に改善が見られると3錠→2錠→1錠と減り、副作用の心配からも解消されました。
⑩ 病気以外の心配ごとも増える
仕事やお金のこと
病院が近かったので通院は電車代だけでしたが、始めは遅刻や早退が続くので同僚への後ろめたさもありました。
治療費は1回平均5000円くらい。月1万です。
上司や同僚に報告する、しない
上司と直接関わる同僚には伝えました。その方が通院しやすい。2週間ごとって以外と頻繁です。告知しておいた方が楽でした。
目が出てくるの
バセドウ病の症状に眼球が出て来ることがあります。医師からは「日本人はあまり出ない」と聞きました。骨格が関係してるんですかね?
私も外見的変化は一切ありませんし、首が腫れる症状もありませんでした。
⑪ 治療中の新たな症状
始めて感じた症状に、睡眠中に心臓がギュっと苦しくなって飛び起きたことがありました。
これも、バセドウ病で起きる一時的な不整脈の症状らしいです。やはり心臓に負担が掛かるのが特徴よね。
⑫6ヶ月のスピード完治
平均2~3年の投薬治療ですが、私は半年の間にどんどん改善し、医師から「こんな早い人は珍しいと」驚かれました。
ただし、再発しやすいのもこの病気の特徴です。
どうしてこんなに早く治ったのか?
先生曰く「もしかしたら体調の変化に早く気が付いた方なのかも」と言われましたが、下肢の震えは2年以上も前に感じてたし、本当に早かったのかはわかりません。
⑬ 現在の生活と通院頻度
2019年1月末の完治から現在までの2年半。再発はしていません。
それでも「32年ぶりに再発した患者さんがいたのよ」と医師から聞いたので、息切れが激しくなったり痩せたりすると再発の不安がよぎります。
半年ごとの定期検査以外にも、異変を感じたら通院してました。
ちなみに1回目のワクチン注射の2日前。また階段を上ったとき心臓のバクバクが長く続きました。
明後日、ワクチン接種だし再発してたらどうしようと不安になり、その日のうちに病院に行きましたが問題ありませんでした。(コロナで検査も控えていたので、11ヶ月ぶりの検査になりました)
今回もだけど、これがバセドウ病の症状なのかわからない!?
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(マスクを外して、もう一度階段上ったら感じなかった)
いま1回目のワクチン接種翌日です。いまのところは腕が痛いだけです。
⑭ 治療に掛かった総額
2018年7月~2021年9月迄の、13回分の治療費は71200円
これ以外に、診断される前の病院代や交通費などもあります。
あと2週間ごとに遅刻してたので、数ヶ月はお給料も減っちゃいました。
⑮ 最後に
長い付き合いになる病気。なんでも話せる友人がいたらと思うけど、私は当時親にも言わずに一人で抱えてました。
ただ、再発を心配していると「この病気は急激に進行しないよ。ゆっくり進行するから症状が出たからと言って不安にならなくていい」と、医師に慰めて貰いました。